● 中立な話 ―All Own way―  ●

 あるところでの話です。
 一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
 そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
 一人の旅人が、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
 二人は状況を説明した後、
 「貴方は一体どちらの立場に立つ?」
 やって来た一人に聞きました。
 「私は、どちらの立場にも立ちません。中立です」
 一人は言いました。
 すると二人は、
 「そうか」「そうか」
 その一人を撃ち殺して、二人分の金目の物を仲良く分けました。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のルフィが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した後、
「貴方は一体どちらの立場に立つ?」
やって来たルフィに聞きました。
「知らねェ。お前らが勝手に決めろよ」
ルフィは言いました。
すると二人は、
「そうか」「そうか」
そのルフィを撃ち殺そうとしたのですが、あいにくゴム人間に鉛弾は効きませんでした。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のゾロが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した後、
「貴方は一体どちらの立場に立つ?」
やって来たゾロに聞きました。
「知るかよ」
ゾロは言いました。
すると二人は、
「そうか」「そうか」
そのゾロを撃ち殺そうと銃を抜く暇もなくゾロに斬られ、その場に崩れ落ちました。
ゾロはつまらなそうに刀を収め立ち去りました。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のナミが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した後、
「貴女は一体どちらの立場に立つ?」
やって来たナミに聞きました。
「私は、どちらの立場にも立ちません。中立です」
ナミは言いました。
しかし二人が、
「そうか」「そうか」
と言って銃を構えた時には、ナミは金目の物と共にどこかへ消えていました。
いつの間にか二人の財布も盗られていました。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のウソップが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した後、
「貴方は一体どちらの立場に立つ?」
やって来た一人に聞きました。
「わ、私は、どちらの立場にも立ちません。中立です」
ウソップは言いました。
すると二人は、
「そうか」「そうか」
そのウソップを撃って、二人分の金目の物を仲良く分けようとしましたが、ウソップがろくな物を持っていないと分かると、また諍いを始めました。
その内に、ウソップは体のケチャップを落としてそそくさと逃げました。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のサンジが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した後、
「貴方は一体どちらの立場に立つ?」
やって来たサンジに聞きました。
しかしサンジはそんな二人に耳を貸さず、ざくざくと土を掘り始めました。
亡くなった女性を穴に丁寧に横たわらせ、盛り上がった土の傍らには美しい花を供えました。そして墓の前で深く黙祷しました。
彼女の持っていた宝石は、今は彼女と共に眠っています。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のチョッパーが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明し始めましたが、途中でチョッパーは死んでいると思われていた旅人にまだ息があることに気付きました。
懸命な手当てで、旅人は容態が回復しました。
旅人はチョッパーにいたく感謝して、せめてもの礼にと宝物を全て渡しました。


あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のロビンが、諍いの最中に通りかかりました。
ロビンはその持ち物を見て、驚愕を顔に浮かべました。
行き倒れの旅人のそれは、非常に歴史的価値のある物だったのです。
ロビンはその旨を二人の旅人に説明しましたが、二人は取り合わず、また金目の物を巡り争い始めました。揉み合っているうちに、その内の一つのネックレスが千切れてしまいました。
それを見ていたロビンは、小さく呟きました。
「許さない」
その後、二人の旅人を見た者はありません。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
一人のフランキーが、諍いの最中に通りかかりました。まさに殺し合おうとしている二人の中に入って、何が起きているのか訊ねました。
二人は状況を説明した直後、フランキーに撃たれました 。
フランキーは金目の物を奪い、走り去って行きました。



あるところでの話です。
一人の旅人が、行き倒れになって死んでいました。その人の持ち物の中で、価値のある物がいくつかありました。
そこへ、たまたま通りかかった旅人が二人いました。二人は、金目の物は自分がもらうと、お互いに言い張って譲りませんでした。
その時、死体がむくりと起き上がりました。
二人の旅人は恐れおののき、一目散に逃げて行きました。
そう、その死体こそがブルックだったのです。
inserted by FC2 system